Google広告のスマート自動入札まとめ

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自動入札とスマート自動入札

自動入札(Automated bidding)とは、クリックやコンバージョンに繋がるよう広告の入札単価を自動的に設定する仕組み。クリック数の最大化や目標インプレッションシェアが該当する。

一方、スマート自動入札(Smart Bidding)は自動入札の一部。機械学習を用いた入札の最適化をオークション毎に実施し、コンバージョン数やコンバージョン値を最大化する。

  • スマート自動入札
    • コンバージョン数の最大化
    • コンバージョン値の最大化
    • (目標コンバージョン単価)
    • (目標広告費用対効果)

ここでは主にスマート自動入札について記載する。

スマート自動入札のメリット

効率改善

オークション毎の自動入札により、手動では実現できない入札価格の最適化が行われる。

工数削減

広告グループやキーワードの入札単価を自動で調整する必要がない。

スマート自動入札の注意点

開始・変更時に学習期間が発生

スマート自動入札は機械学習を使用した最適化のため、安定した運用のためには十分な学習データが必要。そのため、頻繁に設定の変更をするのではなく、一度設定した後は学習が完了するまで待つことが推奨される。学習の完了についてはGoogle広告管理画面のステータス表示で確認できる。

なお、学習完了に要する時間の目安について、目標対費用効果はGoogle広告ヘルプに記載がある。

キャンペーンに変更を加えた場合は、効果が現れるまで待ちます。小さな変更の場合は数日、大きな変更の場合は 2 週間ほどです。

目標広告費用対効果の掲載結果を測定する際のヒント – Google広告ヘルプ

同ページの下部では、掲載結果の評価のためにはある程度の期間(1か月以上など) 経過して50件以上のコンバージョン獲得が必要とも記載されている。この内容が目標広告費用対効果の条件として伝えられることも多いが、ヘルプページではあくまで掲載結果の評価に必要なボリュームとして記載されている。

多くの入札調整率設定が無効になる

スマート自動入札では、設定したコンバージョン目標を達成するために最適な入札単価が自動で設定される。つまり運用担当者による細かなセグメントの入札調整は不要であり、実際に設定をしても一部を除き無効となる。スマート自動入札においてはデバイス以外の調整率(スケジュールや地域など)が無効となり、デバイスも目標コンバージョン単価以外は100%引き下げのみが可能。

目標コンバージョン単価では調整率に応じてそのデバイスの目標コンバージョン単価が変更される。入札単価の直接変更はできない。(入札単価調整について – Google広告ヘルプ)

このため、次のようなケースの対応が難しくなる。

  • 特定の曜日や時間帯においてパフォーマンスが大きく変動する場合、明示的に配信拡大または抑制を設定することができない。
    • スケジュール調整比が無効のため、週末のみ抑制などの対応が不可
  • 特定のデバイスやオーディエンスリストについて、明示的に配信拡大または抑制を設定することができない。

上記内容については、季節性の調整やコンバージョン値の調整機能によって対応可能とされているが、いずれも各種入札単価調整のような柔軟さはなく、完全に代替できるものではない。

広告費の進捗管理が困難

目標コンバージョン単価や目標広告費用対効果を設定した場合、目標効率を達成したうえでコンバージョン(値)の獲得を最大化する。学習データ蓄積のため、キャンペーンの予算は配信見込みよりも高い値に設定しておき、予算によるインプレッション損失が発生しないように運用をしていく。そのため、予算上限の金額≠実際の配信金額となる。

また、入札単価を自分で設定することはできず、あくまで目標効率を設定するために、意図したボリュームに調整することが難しい。(目標コンバージョン単価を¥10,000→¥20,000と2倍にしても、配信量や広告費が2倍になるわけではない。)

前述の学習期間は挙動が安定しないことも含め、日次で予定通り広告費を使用していくことは困難である。

終わりに

スマート自動入札は上記のような懸念があり、導入後に混乱することも多い。

ビジネス上の制約である予算や期限をコントロールできない点にはもどかしさも感じる一方で、Googleの豊富なシグナルと高度な機械学習を利用することで中長期的にはコンバージョンの獲得増が期待できる。

特にディスプレイ広告や検索広告の部分一致キーワードとの相性が良く、ポイントに気をつけて可能なところから導入を検討していくとよい。

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